ラ・リーガ第16節は、バルセロナに乾・武藤両選手のエイバルが挑みました。試合は、両チームともに攻守の切り替えが速く、とても引き締まった展開で、ゴールに迫るシーンも多くみせてくれました。試合結果、ポイント、私が選ぶマンオブザマッチ(MOM)は下記です。
- 試合結果:バルセロナ 1-1 エイバル
- 試合のポイント:エイバルのハイプレスがバルセロナのミスを誘いゴールに
- 私が選ぶMOM:ジュニオール・フィルポ選手(バルセロナ)
ここ最近、私がテレビ観戦した試合のなかでは1番おもしろい試合でした。試合内容を詳しく解説していきます。
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この記事の目次
- ラ・リーガ20-21第16節 バルセロナ対エイバル
- 両チームともに攻守の切り替えが速く、引き締まった試合
- バルセロナの課題はベテランと若手の融合
- 最後に
1. ラ・リーガ20-21第16節 バルセロナ対エイバル
ラ・リーガは第16節、バルセロナがカンプノウにエイバルを迎えました。試合結果は1-1のドロー。前半はポゼッションで上回ったバルセロナがやや優位に進めましたが、エイバルにもチャンスはあり、五分五分と言っていい試合展開でした。
後半は交代で入ったデンベレ選手にボールが集まり、バルセロナが終始優勢に進めました。結果は1-1でしたが、両チームともに攻守の切り替えが速く、ゴールに迫るシーンも多くみせてくれたおもしろい試合でした。
乾選手は先発フル出場。武藤選手は72分からピッチに立ち、2人ともに守備に追われる時間帯が多かったものの献身的なプレーで、チーム初となるカンプノウでの勝ち点1獲得に貢献しました。
2.両チームともに攻守の切り替えが速く、引き締まった試合
試合はまず6分に、エイバルのブルゴス選手がPA内でバルセロナのアラウホ選手の足を蹴ってしまいPKを献上。キッカーはブライスヴァイト選手でしたが、枠を外してしまい先制とはなりませんでした。
9分には乾選手が見せ場を作ります。右サイドでロングフィードを受けると、トラップで相手DFを交わしてそのままシュート。乾選手らしいプレーでした。今シーズンは開幕してからずっとシュートの意識が高く、早くゴールがみたいですね。
24分には、左サイドでペドリ選手からのスルーパスを受けたジュニオール選手がクロス。これをブライスヴァイト選手がダイレクトでゴール右隅に決めましたが、VAR判定の結果、オフサイドでノーゴールとなります。この試合でのブライスヴァイト選手には、ツキがありませんでした。
前半はバルセロナが7割近くポゼッションしましたが、エイバルにもチャンスはあり、決して一方的な展開にはなっていませんでした。
バルセロナは後半の頭から、右WBに入っていたデスト選手を下げて4バックに変更し、右WGにデンベレ選手を投入します。49分にはさっそく右サイドでボールを受けたデンベレ選手が中央にカットインしてシュート。枠を外しましたが、デンベレ選手らしい仕掛けでした。
後半の立ち上がりは、トップ下にポジションを移したグリーズマン選手のボールタッチ数も増え、バルセロナがリズムをつかみます。
しかし、58分にミスから失点。センターサークル付近で、ボランチのプヤニッチ選手とアラウホ選手の短いパス交換をエイバルのキケ・ガルシア選手がかっさらい、そのまま独走して、先制点を奪いました。
バルセロナが同点に追いついたのは67分。左サイドでコウチーニョ選手とのワンツーから抜け出したジュニオール選手がグラウンダーの速いクロス。ファーサイドに走り込んだデンベレ選手がダイレクトでゴール左隅に蹴り込みました。バルセロナらしいパス交換からのすばらしいゴールでした。
武藤選手は72分に殊勲のゴールをあげたキケ・ガルシア選手に代わってワントップに入ります。サイドに流れての体を張ったボールキープ、前線からのプレスでチームに貢献。90分には長いドリブルでPA付近まで持ち込み、シュートチャンスもありましたが、パスを選択。惜しくも相手にカットされてしまいました。
試合はそのまま1-1のドロー。スコアは1-1でしたが、両チームともに攻守の切り替えが速く、シュートチャンスも多くあり、スコア以上に見ていておもしろい試合でした。
私がMOMに選んだ左WBのジュニオール選手は、この試合では再三にわたって左サイドを突破し、精度の高いクロスボールで何度も決定機を演出しましたが、残念ながら1点しか奪えず、ホームで勝ちたい試合でしたがドローに終わりました。
3.バルセロナの課題はベテランと若手の融合
メッシ選手、アルバ選手、ブスケツ選手、ピケ選手と、長きにわたってチームの中心であるベテラン選手がこの試合ではケガや休養もあり、スタメンから外れました。
代わって、ペドリ選手、デスト選手、アラウホ選手、ミンゲサ選手と20歳前後の選手がスタメンに名を連ねました。エル・クラシコの記事でも少しふれましたが、バルセロナではここ数年“世代交代”が重大な課題になっています。これだけ、ベテランにも若手にもいい選手が揃っているのに、なかなかかみ合わないのがサッカーの難しいところですが、クーマン監督の手腕に期待したいです。
それから、この若手のなかでもペドリ選手は特に注目です。解説の元日本代表でドーハ組の福田正博さんも試合中に何度も絶賛していました。シャビやイニエスタ選手にプレースタイルも似ていて、後継者になる可能性が十分にある選手です。トラップ、キックの基本動作がしっかりしていて、チャンスメイクも、後ろからゴール前に迫る動きもできるすばらしい選手です。これからもっともっとプレーを観たいです。
4.最後に
ここ最近、私がテレビ観戦した試合のなかでは1番おもしろい試合でした。現在6位のバルセロナ相手に、16位で今季も残留が目標となるエイバルの試合が、これだけレベルの高い試合になるのですから、ラ・リーガはやはりレベルが高く、各チームのカラーが明確にでているリーグだと思います。
まだまだ、リーグ戦は中盤。これからのバルセロナの逆襲に期待です。