ラ・リーガ 第19節 ヘタフェ対ウエスカは、開幕戦に続いて岡崎選手と久保選手の日本人対決となりました。久保選手は先発出場、岡崎選手はベンチからのスタート。この試合での久保選手は、昨季のマジョルカでの後半戦でのプレーぶりが戻ってきた印象を受けました。
これからのリーグ後半戦での久保選手の逆襲にも期待していきたいですね。この試合の結果、ポイント、私が選ぶマンオブザマッチ(MOM)は下記です。
- 試合結果:ヘタフェ 1-0 ウエスカ
- 試合のポイント:アレニャ選手、ククレジャ選手の中盤でのボールキープ力
- 私が選ぶMOM:アランバリ選手(ヘタフェ)
前半は互角の試合展開でしたが、後半は一転してヘタフェのペースとなった試合でした。以下に詳しく解説していきます。
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この記事の目次
- ラ・リーガ20-21第19節 ヘタフェ対ウエスカ
- アレニャ選手、ククレジャ選手の中盤でのボールキープ力
- マジョルカでのプレーぶりが戻ってきた久保選手
- 最後に
1. ラ・リーガ20-21第19節 ヘタフェ対ウエスカ
開幕戦のビジャレアル対ウエスカ戦に続いて、第19節のヘタフェ対ウエスカも岡崎選手と久保選手の日本人対決になりました。前節のエルチェ戦で2点に絡む活躍をみせたヘタフェの久保選手は移籍後2戦目でスタメン出場のチャンスを勝ち取りました。
一方、ウエスカの岡崎選手はベンチスタート。残念ながら開幕戦同様に両選手スタメンでの日本人対決とはなりませんでしたが、注目の試合となりました。ヘタフェは久保選手が右WGに入る4-2-3-1、ウエスカは3-4-3のシステムで試合がはじまりました。
最初にチャンスを掴んだのはウエスカ。11分に中盤右サイドでボールを受けたオンティベロス選手がヘタフェDFラインの裏に浮き球を送るとエスクリージェ選手が上手いトラップからシュート。ボールはバーをたたきます。
続く13分にはヘタフェのDFジェネ選手からボールを奪ったラファ・ミル選手がそのままシュート。これはGKジャニェス選手が正面でセーブします。ヘタフェのチャンスは14分。中央からのスルーパスを受けて左サイドを駆け上がったククレジャ選手のクロスに久保選手がヘディングで合わせました。相手DFとの競り合いでボールは枠外に外れましたが相手を崩した攻撃でした。
この試合での久保選手はとても積極的でした。前半2本のFK2本もキッカーを志願し、きっちり枠をとらえました。28分にはヘタフェが効果的なパス回しから決定機を迎えます。中央で久保選手、ククレジャ選手、アレニャ選手との細かいパス交換から左サイドのニョム選手へ。ニョム選手のクロスに中央でアレニャ選手が合わせます。競ったボールのこぼれをアランバリ選手がダイレクトでミドルシュート。惜しくも相手GKにセーブされますが、両チームを通じて前半1番の決定機でした。
前半は、両チームともに積極的にシュートを打ち合う展開でした。ウエスカもオンティベロス選手のFKやCKのセットプレーからラファ・ミル選手が合わせるパターンで惜しいチャンスが2、3度ありました。前半は互角の内容で0-0の折り返しとなりました。
一方の後半は一転してヘタフェのペースになります。中盤でアレニャ選手やククレジャ選手がボールをキープできるようになったのが大きな要因だと思います。59分には、前半の決定機であった28分と同じような流れからチャンスが訪れます。中盤でアレニャ選手からククレジャ選手へとつなぎ、左サイドを上がった左SBのニョム選手がクロス。相手DFのクリアボールをアランバリ選手がシュート。ここも決まりませんでしたが、中盤でタメを作ってサイドバックの選手が上がるいい展開ができていました。
ヘタフェのいい流れのまま、先制点が生まれます。70分、ウエスカのゴールキックをDFジェネ選手がヘディングで跳ね返すとアレニャ選手がボールを中央で拾います。そこへアランバリ選手がいっきに右サイドを駆け上がってくるとアレニャ選手から絶妙のタイミングでスルーパスがでます。アランバリ選手がGKの股間を抜く強いシュートでヘタフェが先制しました。
79分には岡崎選手に出番がまわってきましたが、その1分後には久保選手がアウトとなり、わずか1分間の日本人対決となりました。岡崎選手は85分に中央から右サイドに斜めに入り、いいボールの引き出し方でチャンスを作りましたが、惜しくもシュートまではいけませんでした。
試合は後半を終始優勢に進めたヘタフェがそのまま1-0で勝利しました。
2. アレニャ選手、ククレジャ選手の中盤でのボールキープ力
久保選手と同様に出場機会を求めて冬の移籍市場でバルセロナからヘタフェへレンタルでやってきたアレニャ選手は、ヘタフェに多くのものをもたらしそうです。ポジションはトップでボールをおさめることができ、展開力もあり、試合を作ることができます。
トップ下でボールをキープできるので、ククレジャ選手や久保選手がスムーズにあがることができていました。この3人の連携がもっと成熟してくるとヘタフェはカウンターのチームではなくなり、中盤の構成力で戦えるチームになってくるはずです。これからが楽しみです。
3.マジョルカでのプレーぶりが戻ってきた久保選手
この試合の久保選手は昨季のマジョルカでの後半戦でのプレーぶりが戻ってきたようでした。右サイドで余裕をもった状態でボールを受けると、常に中と縦への両方の選択肢を持ちながら、プレーできていました。
この試合の51分には、中央に絞ってDFラインのジェネ選手からボールを引出し、相手ライン間でボールを受けて、右SBのスアレス選手にボールをはたくシーンもあり、プレーの幅も広がっているように感じました。
右SBのスアレスとの相性もいいようです。これから、アレニャ選手やククレジャ選手との連携が高まってくればもっともっと久保選手のイマジネーションあふれるプレーがでてくるのではないでしょうか。この流れではやく今シーズンの初ゴールをあげ、スタメン定着を果たしてほしいですね。
4.最後に
エルチェ戦の記事でビジャレアルを退団したのは少し残念だと書きました。でも、この試合をみて、次の試合が早く見たいなという気持ちになっています。シーズンが終わるころには私を含め、誰もがヘタフェへの移籍は正解だったと納得するくらいの活躍をこれからの久保選手には期待したいですし、その可能性を十分に感じたウエスカ戦でした。
がんばれ、久保選手!