サッカーでは、同じホームタウンを持つチーム同士の対戦をダービーマッチと呼びます。
ベルギーリーグ第12節は、ともにリンブルフ州をホームタウンに持つシント=トロイデン対ゲンクのダービーマッチとなりました。
シント=トロイデンは、FW鈴木優磨選手、GKシュミットダニエル選手が先発出場、伊藤達哉選手がWBとして67分から途中出場し、ゲンクはFW伊東純也選手が先発フル出場しました。
試合は2-1でゲンクが勝利。
両チーム合計7枚のイエローカードと1枚のレッドカードが出される激しいダービーマッチとなりました。以下に、試合の内容を詳しく解説します。
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この記事の目次
- ダービーマッチは日本人選手対決
- ベルギーリーグの印象
- 最後に
1.ダービーマッチは日本人選手対決
両チームのシステムは、シント=トロイデン5-3-2、ゲンク3-4-3。鈴木選手はツートップの左サイド、伊東純也選手は前半が左WG、後半は右WGでプレーしました。
試合は開始早々の4分に動きます。右サイドの深い位置でのスローインをPA内で伊東選手が右足ヒールでフリック。そのボールをボンゴンダ選手が押し込み、ゲンクが先制します。正ゴールGKのケガで前節からスタメン出場の機会を得ているシュミット選手にとっては痛い失点になりました。
この試合での伊東選手は、サイドに張ってプレーするのではなく、中に絞ってトップ下の位置でボールを受けたり、少し下がってDFラインからボールをもらい前線へ繋いだりする役割をこなしていました。
試合は27分、右サイドからのコーナーキックをゴール中央で鈴木選手が豪快にダイレクトでたたき込み、シント=トロイデンが追いつきます。
サインプレーで、キッカーがグラウンダーの速いボールを入れ、鈴木選手はやや下がりながらフリーになり、右足で合わせたきれいなゴールでした。
チームは14位と調子があがりませんが、鈴木選手は第12節ですでに4ゴール。コンスタントにゴールをあげています。この調子を維持して、ぜひ、日本代表にも戻ってほしい。鈴木選手の特徴はなんといっても、負けん気の強さとフィジカルです。この試合でも、その両方をいかんなく発揮していました。前線でボールを納められる選手としては、日本人選手の中でも全時点で、大迫選手の次にきてもおかしくないのではないでしょうか。
同点に追いついたシント=トロイデンですが、その3分後、ゲンクのゴールキックがワンバウンドでルーズボールになったところを、ボンゴンダ選手にループシュートで決められてしまいます。これはボンゴンダ選手の状況判断とひらめきを褒めるべきでしょうが、アピールが必要なシュミット選手にとってはまたしても手痛い失点になってしました。この試合のシュミット選手は2~3回の決定機を好セーブで防いでいるので、十分な活躍でしたが、この2失点の仕方はあまりイメージがよくなかったように思います。
前半は、2-1とゲンクのリードで折り返します。
伊藤達哉選手の出場は67分。右WBに入りました。本来はもっと前線でのプレーが得意な選手なので、WBでのプレーはとても残念です。この試合でも、やはり高いポジションを取れた時にいいプレーがでていました。特に90分の右サイドで相手をひとり剥がしてからのクロスボールは精度もよく、最後は鈴木選手の惜しいクロスまでつながりました。
2.ベルギーリーグの印象
ベルギーリーグは、プレミアリーグやラ・リーガと比較するとまだまだ組織力が劣っているように感じます。攻撃も守備もチームで連動して行っているというよりは、まだまだ個人の力で打開しようとしている印象です。ただ、このリーグの激しい個々のぶつかり合いを経験し、フィジカルを鍛え、ぶつかり合いを回避するテクニックを身につけていけば、次のステップに繋がっていくはずです。
3.最後に
今季もベルギーリーグには、この試合に出場していた日本人選手以外にも、森岡選手や三好選手、鈴木武蔵選手などの日本代表候補が多くが挑戦しています。このリーグで結果を出し、遠藤航選手や富安選手のように4大リーグへステップアップしていってほしいです。
がんばれ、鈴木選手、シュミット選手、伊藤選手、伊東選手