リーガエスパニョーラは第1節に続き、第2節もビジャレアル対エイバルの日本人対決。
今節からエイバルにはニューキャッスルからレンタル移籍で武藤選手が加入しました。
武藤選手の今後の活躍、逆襲にも期待大です。
- 日本人選手の出場状況と結果
- 試合結果と展開
- 私が選ぶマンオブザマッチと注目プレー
上記の3点に注目して、高校サッカー部にして、テレビ観戦歴28年間、3,000試合以上を観てきた私が試合を解説してみます。
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この記事の目次
- ラ・リーガ20-21第2節 ビジャレアル対エイバル
- 試合結果と展開
- 私が選ぶマンオブザマッチと注目プレー
1.ラ・リーガ20-21第2節 ビジャレアル対エイバル
まず、日本人選手の出場状況と結果を解説します。
ビジャレアル 久保選手
後半39分
チュクエゼに代わって4-2-3-1の右WGで出場。AT5分を含め、11分間プレー。
後半42分
DFからのロングフィードをPA右サイドで受けるとDF1人をドリブルではがし、PAに進入。
グラウンダーの速いクロスをDFとGKの間に入れましたが、モレーノには合いませんでした。
後半AT 1分
新加入の左SBエストピニャンからのグラウンダーの横パスをPA正面で受けると、右サイドを駆け上がってきたモレーノへタイミングのいい横パス。
モレーノはファーストタッチが足元に入り、切り返してのシュートとなり、ゴールとはなりませんでしたが、久保選手の選択とそのプレーはベストでした。
後半AT 2分
自陣PA前でクリアボールを拾うと、左サイドにいたモレーノとの大きなワンツーで一気に相手DFラインの裏を狙いましたが、モレーノのパスがミスとなりました。
後半AT 4分
自陣左サイドから、モイ・ゴメスがモレーノへ縦パス。これをダイレクトで中央の久保選手へ。
久保選手には、相手との1対1、フリーのモレーノに戻す、2つの選択肢がありました。
久保選手もモレーノに戻した方がチャンスが広がると分かっていたようにみえました。
ただ、出場機会の少ない自分の現状を把握している久保選手は、アピールするため1対1を選択し、シュートまで持っていきました。
シュートはDFにあたりGKに取られたものの試合中のあの冷静な判断は19歳とは思えません。
AT 5分を含め、11分間の出場でしたが、モレーノとの連携もみせ、とてもいい内容でした。
ただし、試合全体をみると右チュクエゼ、トップ下モレーノ、左モイ・ゴメスという陣形はとても安定していて、久保選手が即割って入れるものではない印象を受けます。
10月からはヨーロッパリーグも始まり、試合数も出場機会も増えてくるはずです。
できるだけ早くゴールやアシストの目に見える結果を残して、レギュラー奪取の足掛かりを作って欲しいです。
エイバル 乾選手 武藤選手
乾選手は4-1-4-1の左MFで先発フル出場。
移籍直後の試合で武藤選手に出場機会はありませんでした。
この日の乾選手は試合を通して、積極的でした。
前半33分
GKからのパントキックを右足アウトサイドで絶妙なトラップ。
このトラップ、乾選手がやると自然過ぎて、すごさが伝わりません。
全力疾走し、そのスピードを殺さずアウトサイドでトラップするのは、かなりの神業です。
そのまま20mドリブルし、最後はDF1人を振り切り、GKと1対1。
シュートはGK正面をつき決まりませんでしたが、コンディションがよく、それが積極性を生んでいることが見て取れるプレーでした。
後半4分
先制点のシーンです。エイバルはセンターサークル付近で乾選手を含めた3人で、ビジャレアルのコクランにプレッシャーをかけます。
ルーズボールを拾った乾選手が3人のうちの1人であるエスポジトにつなぎ、そこからスルーパス、ガルシアがゴールを決めました。
2.試合結果と展開
試合結果
試合は、2-1でビジャレアルが勝利しました。
試合展開
後半4分 ガルシアのゴールでアウェーのエイバル先制。
展開は「日本人選手の出場状況と結果」の乾選手の項目で紹介している通りです。
後半17分 モレーノの個人技でビジャレアル同点。
センターライン付近でイボーラ、トーレスとつなぎ、左サイドのエストピニャンへ。
エストピニャンのクロスはPA右サイドへ流れ、それをチュクエゼがダイレクトでモレーノへ。
モレーノは右足でトラップし、左足でシュートフェイントをいれ、右足を振りぬきました。
圧倒的な個の力でした。
サッカーでは、組織で有利に試合を進めていても、得点が入らないケースがよくあります。
最後に必要になってくるのは、個人のスキルだということがよくわかるシーンでした。
後半25分 アルカセルのゴールでビジャレアル逆転。
展開については、この後の注目プレーの項で紹介します。
3.私が選ぶマンオブザマッチと注目プレー
- マンオブザマッチ モレーノ選手
- 注目プレー ビジャレアル決勝ゴール
マンオブザマッチ
言うまでもなく、1G1Aのビジャレアル モレーノ選手です。
90分間、エイバルの脅威であり続けました。
注目プレー
ビジャレアル決勝ゴールです。
DFラインのトーレスから、センターサークルやや左サイドのパレホへ縦パス。
パレホはダイレクトでモイ・ゴメスへ落とします。
このタイミングでトップのアルカセルは指差しでモイ・ゴメスへボールを要求します。
しかし、モイ・ゴメスはボールをキープし、中のモレーノへショートパス。
このアルカセルの一度目の指差しの際、エイバルDFのオリベイラはしっかりとアルカセルをみていましたが、モイ・ゴメスがボールキープした一瞬、アルカセルから目を離しました。
正確には、モイ・ゴメスがボールをキープした際にパレホにだす可能性を感じてパレホを一瞬みました。この一瞬がすべてでした。
この一瞬でアルカセルは動きなおし、そこへモレーノはダイレクトで出しました。
駆け引きを制したアルカセルの勝利でした。
このシュートも、ガルシアのゴールも技術的には非常に難しいシュートです。
それを2人とも簡単に決めているところがリーガのレベルの高さを物語っています。
こんなゴールを武藤選手にもたくさん決めて欲しいです。