セリエA 20-21第18節は、ボローニャがホームにヴェローナを迎えました。ここ8試合勝ちから遠ざかっているボローニャで、日本代表冨安選手は4バックの左CBとして今季18試合連続となるスタメン出場を果たし、得意のインターセプトでチームに貢献しました。試合結果、ポイント、私が選ぶマンオブザマッチ(MOM)は下記です。
- 試合結果:ボローニャ 1-0 ヴェローナ
- 試合のポイント:シャウテン選手のセカンドボール奪取力
- 私が選ぶMOM:シャウテン選手(ボローニャ)
終始、互角の試合展開でしたが、勝敗を分けたポイントはボローニャ・シャウテン選手のセカンドボール奪取力だったように感じます。詳しい試合の展開を解説していきます。
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この記事の目次
- セリエA 20-21第18節 ボローニャ対ヴェローナ
- シャウテン選手のセカンドボール奪取力が勝敗の分かれ目に
- 冨安選手は持ち味のインターセプトで勝利に貢献
- 最後に
1.セリエA 20-21第18節 ボローニャ対ヴェローナ
ここ8試合勝ち星がなく、第17節終了時で4勝5分8敗と波に乗れていないボローニャがホームにヴェローナを迎えました。ミハイロビッチ監督の去就問題もあがり始めているなかで勝ち点3が欲しい試合です。
日本代表の冨安選手は、ここ2試合右SBに入っていましたが、この試合では4バックの左CBとしてスタメン出場。今シーズンのリーグ戦では18試合連続スタメン出場となりました。システムはボローニャが4-2-3-1、ヴェローナは3-4-3でスタートします。
前半から試合は動きます。先制したのはホームのボローニャ。前半19分にヴェローナのゴールキックのこぼれ球を中央で拾ったシャウテン選手が浮き球のボールをDFラインの裏へ。オルソリーニ選手が抜け出しシュートを放ちます。一旦はヴェローナGKシルヴェストリ選手が好セーブで抑えますが、弾いたボールを拾ったソリアーノ選手をシルヴェストリ選手が倒してしまいPKに。これKをオルソリーニ選手が落ち着いて左足でゴール右隅に決めました。
先制してからはボローニャの攻勢が続きます。21分には左サイドでビニャート選手のスルーパスで抜け出したダイクス選手がクロス。ボール1個分バロウ選手の頭に合いませんでしたが、決定機でした。
前半はボローニャがシュート8本に対して、ヴェローナは1本。ポゼッションでもボローニャが54%と上回りました。ただ、ボローニャが圧倒していたわけではなく、内容としては5分5分といった印象でした。
後半最初のチャンスはボローニャ。50分に右サイドのオルソリーニ選手からボールを受けたバロウ選手がドリブルからシュートを放つもボールは枠外。54分にはヴェローナのラゾビッチ選手が右サイドのバラック選手からボールを受けそのままダイレクトシュート。こちらも惜しくも枠を外しました。
71分、72分にはボローニャに続けてチャンスが訪れます。まず、シャウテン選手が中央でインターセプトしたボールをダイレクトでドミンゲス選手につなぐと、ドミンゲス選手がドリブルから、右サイドに流れたバロウ選手にスルーパス。シュートまでいきましたが選手がセーブしました。
続いては右SBデ・シルヴェストリ選手から縦のフィードを受けたオルソリーニ選手がドリブルで中央にカットインしてシュート。しかし、これもGKシルヴェストリ選手の好セーブでゴールには至りませんでした。80分以降は両チームともにミドルシュートを積極的に打っていきましたが、精度を欠き、試合は1-0でホームのボローニャが9試合ぶりに勝ち点3をあげました。
2.シャウテン選手のセカンドボール奪取力が勝敗の分かれ目に
チーム力に差がなく、試合は攻守ともに5分5分な展開でした。ただ、ボローニャのシャウテン選手が攻撃の場面でよくセカンドボールを拾っていて、そこから決定機が生まれたケースが3、4度ありました。その内の1回がPKとなり、勝利につながりました。
ボール奪取には嗅覚、センスが必要ですが、シャウテン選手にはその能力が備わっています。まだ若い選手なのでこれから経験を積んでいくと、私の大好きなオランダ代表としても非常に楽しみです。
3.冨安選手は持ち味のインターセプトで勝利に貢献
この試合の冨安選手は終始安定したプレーぶりでした。持ち味のひとつである高い位置でのインターセプトも4~5回はあったのではないでしょうか。ここに、ロングフィードやサイドチェンジ、ドリブルでの持ち上がりなど、現代サッカーでCBに必要とされる展開力が加わってくればさらに評価があがってくるでしょう。ここのところ、右SBとしての評価の方があがっていて、私も右SBでのプレーも大好きなのですが、これからの日本代表のためにもCBとして大成してほしいと願っています。
4.最後に
ボローニャの試合を観るのは今季6試合目でした。今季の冨安選手はCB、左右のSBもそつなくこなし、現地ではボローニャの「ジョーカー」と評されているようです。どのポジションでもDFでありながら一貫して「前への意識」が非常に高い選手だと思います。
ヴェローナ戦のような活躍を継続していってくれれば、ビッグクラブへの移籍もみえてくるのではないでしょうか。ちなみに監督のミハイロビッチは、CBでありながらラツィオで11番をつけ、FKの名手として活躍した攻撃的なDFで、私の大好きな選手のひとりでした。その遺伝子をぜひ、冨安選手に注入してほしい。
冨安選手とヘタフェに移籍した久保選手でこれからの日本代表を引張ってほしいですね。
がんばれ、冨安選手!