これまでの記事で、建築士定期講習、管理建築士講習、監理技術者講習等を紹介してきました。今回は、省エネ適合性判定の講習会を受講してきたので内容を詳しく解説していきます。とはいっても、省エネ適合性判定って何?という方が大半ですよね。
私なりに簡単に説明すると、
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「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」に基づき、建物が各種の省エネ基準に適合していることを確認する業務。
これが省エネ適合性判定です。
以下に、受講資格や講習内容を紹介しながら、もう少し詳しく説明していきます。
興味がある方、これから受講を考えている方の参考になればと思います。
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この記事の目次
- 省エネ適合性判定とは何か?
- 省エネ適合性判定員になるには?
- 講習と修了考査の内容
- 最後に
1.省エネ適合性判定とは何か?
あらためて、省エネ適合性判定って何?という方のために、簡単に説明します。
2015年のCOP21で、世界の温暖化対策として「パリ協定」が採択されました。
協定により、各国で温室効果ガス・CO2排出量削減の目標値が定められ、日本は2030年度を目途に温室効果ガス26%、CO2排出量40%削減を目標に掲げました。
この目標達成に向けて、建築物における省エネルギー対策が求められ、平成27年7月に「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」が制定されました。
この法律に基づき、建物が各種省エネ基準に適合していることを確認、担保していく業務が省エネ適合性判定です。
2.省エネ適合性判定員になるには?
- 建築基準法第5条第1項の建築基準適合判定資格者検定に合格した者
- 建築士法第2条第2項に規定する⼀級建築士
- 建築士法第2条第5項に規定する建築設備士
受講料:49,500円
受講者は、以下の3つの職種が大半だと思います。
- 判定業務を行う確認検査機関従事者
- 申請を行う設計事務所等の設計者
- 国や地方公共団体の職員
- 9:30~12:50 法の概要・適合性判定の方法
- 13:40~15:15 適合性判定の方法・例題演習
- 15:25~17:00 修了考査(70分・25問3肢択一)
修了考査に合格すると「省エネ適合性判定員」となります。
3.講習と修了考査の内容
配布資料
- 省エネ適合性判定に関する講習会テキスト
- モデル建物法入力支援ツール解説テキスト
- エネルギー消費性能計算プログラム解説テキスト
- 改正建築物省エネ法の各措置の内容とポイント
- 建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令の一部を改正する省令の規定による共同受託のモデル用いた簡易な評価方法の運用等について(技術的助言)
- 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律
1~3のテキスト解説が講習のメインでした。
テキスト3冊分の内容を4時間40分で網羅するのは、非常に厳しいです。
修了考査は講習会での配布資料持ち込み可です。
それでも25問中で確実に分かったのは半分くらいでした。やばいです。
4.最後に
講習会に参加したのは3年ぶりくらいで、100人が真剣に勉強しているのが、なんかとても新鮮で、あらためて仕事だけをしていてもだめだなと実感しました。
私見ですが、建設業では幅広い見識が必要で、同じことをするにしても複合的な見方ができる方がよいものができることが多いです。これからも、あまり仕事に直結しないような内容でも、どんどん講習会や勉強会に参加して、見聞を広めたいなと思います。