ラ・リーガは第7節、カンプノウでのエル・クラシコでした。エル・クラシコとは「伝統の一戦」の意で、ラ・リーガでは、バルセロナ対レアル・マドリード戦の一戦を指しています。
試合結果と勝敗を分けたポイント
- 試合結果:バルセロナ 1-3 レアル・マドリード
- 勝敗を分けたポイント:中盤での守備力
- 私が選ぶMOM:カゼミーロ(レアル)
ここ25年間毎年100~150試合、合計3,000試合以上をテレビ観戦し、今年も週2~3試合は観戦している私が、試合をゴールシーンを中心に解説していきます。
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この記事の目次
- ラ・リーガ20-21第7節 エル・クラシコ
- 勝敗を分けた中盤での守備力
- 今後のレアル・マドリードとバルセロナ
1.ラ・リーガ20-21第7節 エル・クラシコ
第6節の終了時点でレアルが1試合、バルサが2試合、他チームより消化試合が少ない状況ですが、レアルは3勝1敗1分の3位、バルサは2勝1敗1分の9位と両チームとも調子が上がっていない状況です。
2.勝敗を分けた中盤での守備力
先制したのはアウェーのレアルでした。
開始5分、ベンゼマが右SB・ナチョからセンターラインの右サイドでボールを受けるとそのままドリブルをスタート。アタッキングサードに入ったあたりから短めのスールバスを出すと、中央からバルベルデが飛び出し、ワントラップしてゴール左隅に突き刺しました。
このシーン、ドリブルするベンゼマの周辺にはバルサの選手が5人いましたが、アタックに行く選手は一人もおらず、ベンゼマもバルベルデもほぼフリーの状態でパス交換をしています。
個人的には、デヨングもブスケツもポゼッションには長けていますが、人に強い選手ではないのが気になります。今のバルサには中盤でのボール奪取力がなく、そのために速い攻撃ができていません。遅攻だけでは、なかなか上位チームのDFラインを崩すのは難しいでしょう。
その3分後の8分、バルサは中盤まで下がったメッシが左サイドからアラバに縦パス。アラバはそのままPA内に侵入し、グラウンダーの速いクロス。17歳のファティがインサイドで合わせて同点とします。
得点シーンではありますが、メッシが引いてパスを配給すると、バルサはあまりいいリズムがでません。メッシが下がってボールをもらい、アルバへ直接パスを出してしまうとどうしてもコウチーニョがあまってしまいます。もう少しコウチーニョにボールを預けて、メッシは中央にはっている方がスムーズにボールが運べるような気がしてなりません。これは、グリーズマンが出場している場合も同じです。
1点目の失点シーンも含めて、今のバルサにはボール奪取力があり、水を運ぶ役割のできる中盤の選手が必要です。
前半は1-1の同点。ポゼッションではレアルが55%とバルサを上回りました。
後半、得点が動いたのは63分。PA右サイドで19歳のバルサ右SB・デストがハンドを取られてFK。FKの競り合いからバルサCB・ラングレがセルヒオ・ラモスのユニフォームを不用意に引張りPK献上。ラモスが自ら決めて2-1となります。
90分には途中出場のモドリッチがダメ押しの3点目を奪い、試合が決まりました。この3点目も、1失点目とほどんど同じ形でした。中盤をドリブルするモドリッチへのプレスがあまく、DFラインの間にスルーパスを通されヴィニシウスが抜け出し、GKと交錯したこぼれ球をモドリッチが押し込みました。
3.今後のレアル・マドリードとバルセロナ
この試合のMOMにはカゼミーロを上げました。
前半はメッシにかわされるシーンがいくつかありましたが、試合を通してみると守備への貢献度は高かったです。カゼミーロとデヨング・ブスケツの中盤での守備力の差が試合の勝敗を分けたのではないでしょうか。ただし、まだまだ両チームともに調子は上がっていません。
特にバルサは、中盤の守備を改善できなければ今シーズンも、チャンピオンズリーグ、リーガともに厳しい結果が待っているかもしれません。
それにしても、バルサではファティが17歳、ペドリが17歳、デストが19歳。レアルではヴィニシウスが20歳、ロドリコが19歳。エルクラシコにこれだけの10代の選手が出場しているなんて信じられません。これからのサッカー界もまだまだ安泰ですね。来季、この舞台に久保建英選手がいることを楽しみにしています。