戦争や平和への意識というものは、どのように身につくものなのだろうか。
私の育った長崎県は、みなさんもご存じの通り、原爆投下都市である。
県下の学校は8月9日は登校日で、平和教育を受け、原爆投下時間である11時2分には全校生徒で黙祷を捧げる。
この登校日のおかげで、私は今も8月9日には少なからず平和について考える。
ある種、宗教的な要素が入っていると思われるかもしれないが、なんの不自由もない今の時代に「考える機会」を意識的に作っていくことも必要なのではないだろうか。
今日の記事では、長崎県の8月9日と五島列島の少し変わったお盆3日間の過ごし方について紹介してみたいと思う。
長崎県の8月9日は登校日
私が育った長崎県では8月9日は登校日。7歳の姪に聞いてみたが、今でも変わっていない。
9日は朝から大掃除をし、平和教育として地元の方々が戦争や原爆の体験談を話してくださり、
11時2分の原爆投下時間には、全校生徒で黙祷を捧げる。
私は大人になるまで、全国的に8/6・9・15のどこか1日が登校日で、みんなが同じように平和教育を受けているものと勝手に思い込んでいたが、実際はそうでもないようだ。
高校を卒業し、今年で25回目の8月9日であったが、原爆投下日であることを必ず思い出し、みんなが平和であってほしいと願うのは、この登校日のおかげであることは間違いない。
五島列島お盆3日間の過ごし方
私は長崎でも本土ではなく、離島の五島列島育ち。
五島では8/13~15の3日間とも夕方17時~19時くらいにお墓へ行き、提灯を灯す。
その間、大人たちは親戚やお世話になっている方々、友達などのお墓をまわり線香をあげ、子供たちは花火をして過ごす。
この風習は、江戸時代に貿易をしていた中国から伝わったと考えられ、花火には「悪を寄せ付けない」との意味があるようだ。
お墓から引き揚げてからも、親戚の家をまわり、仏壇に線香をあげ、お酒を飲みながら昔話に花を咲かせる。
子供にとっては、自分の父母や祖父母の若い頃の話を聞ける貴重な機会だ(毎年、同じ話になるので飽きてもくるのだが。笑)。
他の地域や世界各国がどのようなコミュニケーションで先祖の暮らしや人柄、功績などを後世に伝えているのかは、私は不勉強で分からないが、五島のこの風習は、そういうことを自然に伝えやすい機会を生んでいるように感じる。
日々を自分自身の生活や仕事に追われていると、戦争や平和、自分以外の人のことを考えたり、感じたりする時間がなくなってくる。
自分自身が、または各企業や社会が、その時間を意識的に確保していかなければ、この先も、利益ばかりを求める世界が待っているように思う。